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DEATH : The Sound Of Perseverance(1998)

Posted on 2023-12-132023-12-24 By tatal_HB DEATH : The Sound Of Perseverance(1998) へのコメントはまだありません

死神はかく唄いし

#0036

天才とは何故こうも夭折するものなのか。

鬼才ソングライターであり希代のリフメーカーでもあった DEATH の Lead Vo.兼 Gt.のチャック・シュルディナー(Chuck Schuldiner)がこの世を去ったのが2001年の12月13日。脳腫瘍だった。

そのため 1998 年のこのアルバム『The Sound Of Perseverance』が DEATH のラストアルバムであり、また進化し続けた彼にとってそれは最高傑作でもあったのだ。デスメタルに常に新たな地平線を求め続けていたチャックの到達点でもあったと思う。

スラッシュメタルからデスメタルに移行していく過渡期にあってアグレッシヴとブルータリティだけを誇示するのではなく、高度なテクニックを誇るミュージシャン達と切磋琢磨することで、この最期のアルバムではプログレッシブな要素を完璧にデスメタルに飲み込んでみせた。

彼が辿ってきたそうした進化はその後も若い後継者たちにより昇華拡散されており、現在のデスメタルやメタルコアにおけるプログレ的なアプローチに大きな影響を与えて続けている云えるだろう。

本作はチャックの遺作となったこともあり、1998年の初版リリースから間もない2005年に映像特典を加えたDelux edition盤が Nuclear Blast からリリースされている。また 2011年には Relapse Records から未発表デモ音源を追加したリマスター盤が発売された。

管理人はこのリマスターCDが手元に残っているが、これが非常に高音質となっていて、このアルバム作品の先駆性を改めて際立たせてくれている。またアートワークも同じモチーフでありながらもリファィンされており、追加されたデモトラック集も含めてお薦めの一枚だ。


HMV&BOOKS online DEATH – The Sound Of Perseverance

例えば M-3. “Spirit Crusher” ではウォーキングベースのイントロからゆったりしたテンポで始まり、複雑怪奇なドラムトラックとリフが進むに連れて突然速くなったり、またテンポを落としたりと目まぐるしく展開する。全体的にはかなり遅いテンポなのにひたすらヘッドバンギングできてしまうような幻覚作用のようなものを感じさせる強烈な楽曲なのだが全く破綻していない。

B.C.Rich ステルスにディマジオPUを1基だけ載せたシンプルな愛機ながら、そこから繰り出される圧倒的なギターサウンドは心地よくかつ唯一無二だ。シュルディナーはソロを弾くときにコーラス系エフェクトをかける以外はほとんどエフェクトを使わなかった。

M-5. ”Flesh and the Power it Holds” ではそんなチャックのギターリックが存分に堪能できる。聴いてるうちに 8’26”という長尺だったことを忘れてしまうほど複雑な構成で展開する。まるで永遠とジャムセッションを聴いているようだ。

一転して、M-6. “Voice of the Soul” では流麗なアコースティックギターと美しいギターソロをインストルメンタルで聴かせてくれる。そしてこのトラックでリマスター盤の恩恵を最も感じることができる。SpotifyではオリジナルReisue盤とリマスター盤の両方を聴くことができるので、アカウントを持っている方は是非聴き比べしてみてほしい。


2011 remaster edition
1998 reisuue version

1999年に脳腫瘍と診断されていたチャックだったが放射線治療を受けながらもそのまま音楽活動を続けいた。経済的な理由からすぐに必要な手術を受ける余裕がなかったのだ。プレスリリースを通じて、母のジェーンはアメリカ医療制度への不安と、収入が安定しないミュージシャンや多くの人々が医療保険に入れる社会制度になっていないことへの懸念を表明した。チャックは最初の手術後に医療保険に加入していたが保険会社はその支払いを拒否していた。こうした呼びかけもあって多くのミュージシャンが私物や自らのギアを彼のためのチャリティオークションにかけ、そこで得た資金でシュルディナーの医療費を援助する。

トリヴィアム(Trivium)のVo.兼Gt.のマット・キイチ・ヒーフィ(Matt Kiichi Heafy)も、彼が15歳でまだローカル・バンドで活動していた頃、チャックのための寄付を求めるライヴを行ったことがあるとその後のインタビューで述べている。

こうした周囲の援助も空しくチャックの容態は徐々に悪化し、ついに34歳の若さで亡くなる。

彼の死後もチャックに対するトリビュートライブや同じように闘病するミュージシャンのためのチャリティライブなどが各地で開催されており、メタルコミュニティにおける彼の存在は音楽的にも技術的にも、そして社会的にも大きな足跡と影響を残したのだった。

デスメタルというジャンルに囚われることなく広くロックファンそして音楽ファンにこのチャックの才能がほとばしる名盤を是非聴いて欲しいと思う。

R.I.P. Chuck Schuldiner

Origin : Altamonte Springs, Florida, U.S. United-States-flag
Released : 1998. 8. 31
Label : Nuclear Blast Recrods
Producer : Jim Morris, Chuck Schuldiner
Studio : Morrisound Recording (Tampa, Florida, U.S.)
リンク
Death Metal, Thrash Metal, United States Tags:1980年代, 1989, Chuck Schuldiner, Death Metal, Thrash Metal, United States, アメリカ合衆国, 名盤

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